海上保安庁の仕事には一級小型船舶操縦士が必要不可欠


pixta_16775303_S

<体験談>
性別:女性
年齢:30代
船舶免許取得のきっかけ:高校卒業後、海上保安学校に入学したこと

海上保安学校1年目に一級小型船舶操縦士を取得

私は海上保安庁に入庁し、海上保安官として勤務している者です。海上保安庁は海での仕事がメインであるため、必ず船の免許を取得しないといけません。巡視船といった大型の船を運航させることはもちろんのことですが、巡視船に搭載している小型のボートを沖で巡視船から降下させ、巡視船から離船してボートを操縦することもあります。

特に、大型の巡視船では到底入り込めない沿岸海域にて、海難救助を行う場合は、喫水の浅い小型のボートが活躍するため、海上保安庁の仕事をする場合には必要不可欠な免許です。そのため、海上保安官に入庁して最初に取得するものの中に、この「一級小型船舶操縦士」というものがあるのです。

私は高校3年である18歳の年に、海上保安官採用試験を受けて合格、高校卒業後海上保安官の卵たちが訓練を受ける「海上保安学校」というところに入学しました。

海上保安学校での訓練は1年間あり、この1年間の間に、総トン数20トン以上の船を運航させるための免許である「海技士」の資格取得に向けて勉強をするほか、総トン数20トン未満の小型船舶を操縦させるための「一級小型船舶操縦士」の資格も取得します。

海上保安学校は、国土交通省の認可が下りており、学校で行うカリキュラムと試験を突破することが出来れば、小型船舶操縦士の免許を取得することができるため、訓練学校内で免許を取得することができます。

一般の方が一級小型船舶操縦士の資格を取ろうとする場合は、マリーナ等に通い、カリキュラムをこなさないといけない分、訓練学校の敷地内で全てカリキュラムを完遂させることができるのは、長所と言えるでしょう。

一級小型船舶操縦士の試験内容

試験は筆記と実技試験があり、筆記試験は基本的な船舶の航法等を記述して答えたりするもので、実技試験は海上保安学校の前面海域でジグザク航行したり、漂流物に船で接近し、船上へ収容するといった試験を行いました。

もちろん、自動車の免許を取るための実技試験と同じく、船を離岸させてから着岸させて係留索を取るまでが実技試験なので、試験中は終始気を抜くことが出来なかった記憶があります。

また、最後に口述試験というものがあり、教官が船の構造物を質問され、何のために備えられたものなのかということを答える試験もありました。

私は船の上部に付いていた様々なアンテナの内の一本を示され、何のアンテナかという質問を受けたのですが、船にはVHS無線装置アンテナやGPS受信装置、テレビアンテナ、船舶電話アンテナ等、様々なアンテナが付いており、区別がつかなかったことから、答えられなかった苦い記憶があります。

海上の事故は気を抜いた時におこりやすい

海というものは常に気象の影響を受けており、日々船を運航していても海上模様が違えば船の操縦の難易度は大きく異なります。私が勤務している部署は日本海に面しており、主に巡視船や搭載しているボートを航走させる海も日本海が多いです。日本海は冬季においては時化(シケ)になることが多く、そんな中で海難救助等の業務遂行をしないといけないことも多々あります。

ところが、こういう危険な時こそ、細心の注意を払うためか、事故が起きることはあまりなく、反って平穏な海で風もあまり吹いていないような穏やかな日の時こそ、気が抜けて漫然と操縦してしまい、船を衝突させてしまったりするような事故を起こすケースが多々あります。私も実際、遠くを見ていて近くを見落としており、危うく近くにいた別の船とぶつかりそうになったこともありました。

小型船舶は大型船舶と異なり、一人で操縦することの方が多く、大型船のように何人もの見張りがいるわけではないことが殆どです。ですから、常に気を抜かずに、周りの状況を注意して確認し、安全な運航に心掛ける必要があります。

私もこれからも小型船舶に乗船し操縦する機会が沢山あるため、見張りを徹底し、初心忘れず、気を引き締めて安全運航に心がけたいと思っています。